日本とアフリカを 経済でつなぐ 文化でつなぐ 夢でつなぐ

一般社団法人アフリカ開発協会 アフレコについて

 1960年代、多くのアフリカの国が独立を果たし、その豊富な資源を基盤として経済的な自立を目指していました。
先進諸国からの投資や技術の移転を求めていたアフリカの国々に対し、日本は高度成長期にさしかかりアフリカの資源に
大いなる魅力を感じていました。そこで、日本とアフリカ諸国の経済交流を促進する必要から、経団連を中心とする
政財界の有力者によって1970年に設立されたのが現在の一般社団法人アフリカ開発協会です。
 一般社団法人アフリカ開発協会は、日本とアフリカ諸国の経済交流及び文化交流の緊密化をはかり、日本とアフリカ
諸国民の友好親善、相互繁栄に寄与することを目的として、草の根レベルでの経済活動に対する協力や、日本政府や
日本企業に経済効果をもたらすような案件形成を行っています。

南アフリカ共和国ラマポーザ大統領と

ごあいさつ

TICAD9は、2025年8月20日-22日に横浜で「革新的な課題解決の共創、アフリカと共に」というテーマで開催された。

TICADの30年を超える歴史を振り返ると、日本は常にアフリカの国々と同じ目線でパートナーとして開発に取り組んできた。その間にアフリカの国々から求められることも随分と様変わりしたと感じるし、支援の時代は過ぎ投資の時代に入ったと感じることも多い。今回のTICADでもビジネスの交流が盛んで、300を超えるMOUが結ばれたということだ。それでも、そのビジネスを支え持続可能な成功に導くためには、基礎インフラ、基礎教育、そしてアフリカの誰にでも届く基本的な医療サービスがまだ十分とは言えない。一般社団法人アフリカ開発協会は、TICAD9で医療と基礎教育に関する2つのセミナーを開催したが、いずれもほぼ満席で興味の高さがうかがわれた。ビジネスだけでは、日本はまだアフリカの良いパートナーと言えないのかもしれない。

当協会の運営は、ありがたいことに、いろいろな分野の会員企業・個人によって支えられている。建設関係、学術界、医療関係から、コンサルタント、金融関係、電力関係など本当に幅広い。ビジネス色が益々濃くなった今回のTICADで、会員の皆様がアフリカで成功を収めるために、当協会の役割は二つあると認識を新たにした。

一つは、会員企業・個人を横断的につなぐことだ。どんな分野の仕事も、その分野だけでアフリカへ進出するのはハードルが高い。これは、今、開発を進める途上国に多くいえる事だが、がむしゃらに開発をするだけでなく自然環境の維持・改善や格差是正など様々な課題を同時に解決しなければいけないからだ。当協会には、もっと会員同士をつないで「共創」を仕掛けることが求められているのかもしれない。

もう一つは、会員の皆様がアフリカでのビジネスに十分打ち込めるように、基礎インフラ、基礎教育、基本的な医療サービスの提供がアフリカ全土でなされるよう支援を促す活動をする必要があるという点だ。これには会員企業の皆様からのご協力、ご支援も必要だが、政府への提言、働きかけも欠かせない。

アフリカにおけるビジネスの展開支援と社会生活の改善推進を焦点に、記念すべき10回目のTICADまで力を尽くして参りたい。

一般社団法人アフリカ開発協会 会長 矢野哲朗